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有名な経済学者であるドラッガーは、著書「プロフェッショナルの条件・IT革命の先に何があるか」の中で、21世紀前半に最も成長が期待される産業として「水産養殖業」を挙げています。
その背景には以下の諸要因があります。
1.食料の供給量の減少
世界的天候不順や環境汚染、更には都市化などの影響で、世界の食料生産力は低下が見込まれます。
これまでは、耕地面積の減少などを単位収量の増加などでカバーしてきましたが、そのために人工肥料などを大量投下してきており、これ以上は大幅な生産力の増加は期待できません。
家畜についても同様の状況です。
2.食料消費量(需要)は増え続ける
一方、アジア、アフリカを中心に、人口はこれからも増加し続けることが予測され、更に発展途上国の国民所得が上昇するにつれ、食料ニーズは増えつづけます(これまでは穀物を主食としてきた人々が、穀物を飼料として育てた肉を食べるようになってきます)。
3.食料不足(食料危機)が起きる可能性が高い
従って、供給が減り、需要が増える事になり、結果として21世紀半ばには食料不足が起きる可能性が強いと言えます。
4.水産物の供給量増により食料不足を防ぐ
食料不足を防ぐ為の大幅な増産が可能な分野が「水産業」です。その他の食料生産が「いかに効率良く育てるか」という技術開発が続いてきたのに対し、水産業のみは「収穫」技術しか磨いてきておらず、資源の枯渇が心配されています。しかし、そのことは、「水産物を育てる」という新しい技術を開発する余地が大きいことも意味しています。
第2次世界大戦後の世界的(特にアジア地域)な人口増を支えたのは、「緑の革命 (Green Revolution)」と呼ばれる、高収穫の稲作技術の普及でした。
これから起きる食料不足を防ぐのは、「青の革命 (Blue Revolution)」と呼ばれる水産業の振興であると言われています。
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世界的に見ると漁獲量が頭打ちの一方、養殖業はかなりの勢いで発展しています。
1.中国の伸びが顕著
中国では1980年から2000年までの15年間で養殖生産量を25倍(年率8%弱)と飛躍的に伸ばしています。特に内水面養殖の伸びが著しく、世界最大の水産大国の地位を占めるに至っています。
2.欧米諸国も堅実な伸び
その主たる要因は、陸上での閉鎖循環式養殖技術の進歩です。
欧米では、1980年代から上記で述べた将来の食料不足への対処を始めており、環境への負荷が少なく、高密度な生産が可能なことから、開発途上国からの輸入品に対する価格競争力を持つ「閉鎖循環式養殖技術」の開発が進められてきました。
この開発には、産学官が知恵と資金を出し合って参加しており、国を挙げて食料安保にチャレンジしようとの強い意志が背景にあります。
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しかしながら、日本の養殖生産量は1985年以来、全体での漁業生産量と共に、殆ど増加していません。
その理由としては、現在の日本の養殖漁業が、海上網生簀方式あるいは掛け流し方式であることが挙げられます。結果、養殖排水から、窒素負荷量にして750万人分の糞尿を海に流し続けている状況になっています。
そして、その対策のためのコストアップ要因(病気の発生とそれを抑えるための抗生物質などの投与など)や、歩留りの低下、養殖業者の経営悪化につながっています。
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